2人で目指すゴールに向けて“準備万全”(伴走体験)

2019年3月27日

4月14日の国際盲人マラソン5kmの部で、視覚障がいランナーの工藤星奈さんの伴走を行う、女優・ヨガインストラクターの松本莉緒さん。ヨガで息を合わせ、同じように伴走でも足並みを揃えて工藤さんとの相性の良さを感じさせた、第3回目の伴走練習会の様子をレポートします。 

 

(左:松本さん 右:工藤さん)
 

2人だけの空間で絆を深める

 

「ヨガは心を落ち着かせる儀式です。」と話す松本さんは、かすみがうらマラソンの日にもメイン会場で行われるヨガステージの中央に立ちます。この日も2人にとってのベストなウォーミングアップであるヨガで息を合わせて、お互いの心を近づけていきます。
 


 

「ヨガは心が落ち着くので、気持ちいいんです。」そう話す工藤さんは、リラックスした様子でウォーミングアップに取り組みます。松本さんは伴走者として工藤さんをリードするだけでなく、それ以外の場面においても積極的にリードしています。そして、お互いの信頼関係がより深く築かれていくのがすぐにわかります。
 


 

次第にヨガに集中する松本さんと工藤さん。2人が静かになり、息を合わせる瞬間が長く続きます。第2回目の伴走練習会でのヨガのウォーミングアップは室内で行いましたが、この日は校庭の開放的な空間で行われました。
 


 

「(第1回目の伴走練習会の前から)もともと、彼女とヨガをやりたいと思っていたんです。伴走練習会は1ヶ月ずつで今回が3回目なのに、相性の良さを感じていて、2人だけの空間で絆を深めていくことができました。」

“2人だけの”ウォーミングアップを終えた松本さんは、笑顔でこう話しました。

 

 

レースペースを意識する練習

 

ヨガが終わってから2人は校庭と学校の外周をしばらく走り、前回の練習会の復習として足並みを揃えていきます。そして、今回のメインの練習は、本番の5kmのロードレースを想定したペースでの伴走練習です。

 


 

その内容は1km6分30秒ペースで校庭を5周、その後ペースアップしていき1km6分00秒ペースで5周、最後に1km5分30秒ペースで5周するという練習です。2人は序盤を少し速く走り始めましたが、後半にペースが上がってもその足並みはピッタリと合っていて、最後までペースダウンすることなく走り終えました。
 
その後、休憩を挟んでから今回の練習の締めとして、2人は60mほどの“ながし”(ダッシュ)を2本行いました。
 


 

「1km5分30秒ペースでも少し速いペースですが、ながしでも息がピッタリだったのでビックリしました。ながしでの伴走というのは、伴走に慣れてない人は足が合わないんです。」

驚いた様子でそう話した工藤さん。その言葉は、松本さんへの信頼を十分に感じさせるものでした。
 

5kmで30分を切れるように頑張りたい

 

充実した今回の伴走練習会の最後のクールダウンを終え、松本さんと工藤さんの3回におよぶ伴走練習会は終了し、あとはレースの日を迎えるのみです。3回ともに練習の内容は違ったものの、毎回の練習終了直後の2人の笑顔が印象的でした。

 


 

「私よりもずっと年齢の若い星奈ちゃんですが、練習会ごとにお互いの信頼関係を築くことができて、“息をピッタリ合わす”という感覚を磨くことができました。」こう話す松本さんは、自身の成長を肌で感じています。

 

 

練習終了後に、前回松本さんが工藤さんにプレゼントしたディズニーグッズのお返しがありました。工藤さんからお返しを受け取った松本さんは「星奈ちゃんからプレゼントをもらって、泣きそうなぐらい嬉しいです!」と満面の笑みを浮かべました。

 


 

4月のレースに向けて工藤さんは「他の選手には負けたくないので、5kmで30分を切れるように頑張りたいです。」とヤル気満々の様子。一方の松本さんは「レース本番は緊張しますが、スピードが速い、遅いなどということを遠慮せずに彼女に言ってリードしながらレースを楽しみたいです。」と話します。

3回の伴走練習会でお互いの信頼関係を築き合った松本さんと工藤さん。5kmの部に参加されるランナー、沿道で声援を送るサポーター、そして、フィニッシュ地点のみなさん。国際盲人マラソン5kmの部での2人のチャレンジにぜひご注目ください。

 
 
[第1回伴走練習会のレポートはこちら]
笑顔とヨガがもたらした2人の絆
 

[第2回伴走練習会のレポートはこちら]  
より信頼される伴走者となるために

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河原井 司

ライター。かすみがうらマラソンでは2015年大会に2時間57分09秒でマラソンを完走し、2018年大会では視覚障がいランナー・伴走者とともにマラソンを完走。